どうも、高卒です。
先日はコロナワクチン二回目摂取後の副反応で高い発熱と頭痛でグロッキーでした。
でも翌日にはこうしてブログを書く高卒。
さて、直近では明らかに世界景気が悪いのに株価がグングン騰がり続けていて株を買いにくいことこの上ないですね。
割安な株は騰がらずにハイテクのような物だけが騰がっていくのでいっそ次の暴落までハイテクに寄生するのすら手に思えてきました。
それは半分冗談として、ここまで株価が異次元になってくるとそろそろ暴落に身構えないといけない、そんなふうに思っている読者様も多いことと思います。
本当の暴落か判断できれば底値買い増しもできますからね。
ちなみに当ブログでは過去にRSIで株価暴落の底を見極めよ、という主旨の記事を書いたことがあります。
この記事は真の暴落では例えばS&P500のような株式指数のRSIが30~20を切ると、ほぼ暴落の底であり買い増しを始めても良い、という内容でした。(個別株ではなくて指数です。指数がRSI30を切ることは平常時では殆どありません。)
実は他にも簡単に暴落を見極める手があるんです。
それは「ハイイールド債」です。
ハイイールド債とは?
ハイイールド(高利回り)債とは別名「ジャンク債」とも呼ばれ、この二つの名前が表す通りの高利回りかつ高リスクな債券(社債)です。
と、いうのもハイイールド債という物は債務不履行のリスクが高いかわりに金利の高い債券(社債)を差すからです。
この債券は一般的にはBBB-以下の格付けの社債のことを差します。日本では最近チャイナリスクでそこそこ話題となったソフトバ〇クGの社債などが該当します。
つまり資金繰りに困った会社が資金調達のために発行している高金利債券だと思っていただいて構いません。
暴落時はハイイールド債の金利が暴騰する
なぜ、このハイイールド債が重要なのかというと市場の真の暴落時には、このハイイールド債の金利が「大暴騰」するからです。
その理由は普段は高金利に釣られてハイイールド債を大量購入していた投資家がハイイールド債を発行している企業のデフォルトを警戒して売り倒すことによりハイイールド債は価格が暴落し、かわりに金利が高騰するからです。
つまり、流石にこれは暴落かな?と判断に困ったらハイイールド債の金利を見れば一目で判断できるということです。
百聞は一見にしかずということでコロナショック時のハイイールド債の金利を確認してみましょう。
チャート引用:FRED
一か所だけハイイールド債の金利がえげつない伸びを見せている箇所が分かりますね?
完全に突き抜けています。
ここがコロナショックです。
2020/3/9の時点で2018年のアップルショック時のハイイールド債金利をブチ抜きました。ちなみに3/9日は米国にて第一回目のサーキットブレーカーが発動した日でもあります。
その後2020/3/23にハイイールド債金利はピークを迎えて折り返します。
つまり、この折り返し地点が「大底からの反転」です。
短期ではハイイールド債のほうが大底が分かりやすかった
ちなみに実際の株価で見た場合、S&P500が完全に底を打ったのは2020/3/20からです。
以下が実際のS&P500チャートです。
チャート引用:Google Finance
ですがこれは長期チャートだからそう言えるだけです。長期チャートでは短期の上げ下げは隠れてしまうからです。
実際の当時の株価だけで、このタイミングが大底だと予想できた人はほとんどいなかったはずです。事実、当時の株価は短期では上げ下げを繰り返しており本当に反発したのか、確信を得にくい状態でした。
少なくとも管理人の記憶ではこの時、有名投資インフルエンサーも含めていつまでも「まだ落ちる、また落ちる」と身構えて震えておりました。
しかし株価ではなくハイイールド債を見れば株価以上に早く反転を確信できていたことがわかります。
まずはコロナショック当時の短期の株価(S&P500)です。
チャート引用:FRED
上記の通り3/23で反発はしましたがその後もいまいち株価回復の確信を持てない感じです。暴落前と比べてもガクガクと上下を繰り返しています。
それでは同時期のハイイールド債金利を見ましょうか。
チャート引用:FRED
どうでしょうか?
同じ短期でも株価よりはっきりとリスクが上がってから、はっきりと下がって行っているのが分かりますよね?
株価は暫く不安定な乱高下を伴いながら徐々に騰がっていきましたがハイイールド債金利は4月には完全の急降下を始めています。どっちのほうが暴落の終わりを確信を持てるか、一目両全ではないでしょう?
二番底のリスクがあるとはいえ、何の情報も持っていない人よりハイイールド債を見た人の方が
- 大底までに無駄な高値買い増しをせずに済み
- 折り返しの時点で買いに転じることができた
とはっきり言えます。
以上のことより暴落が始まったな、と感じたらハイイールド債を確認したほうが絶対に有効であると言うことができます。
弱点:先行性がなく、二番底は見抜けない
最後にハイイールド債を見る際には2つの注意点があります。
1つ目の弱点としてはハイイールド債はあくまで暴落の開始判断と折り返し判断にしか使えないということです。
理由は、その動きが株価とほとんど連動するからです。
ですのでハイイールド債には暴落の先読み能力は一切ないです。
以上のことより暴落を予期して先売りしよう、という使い方には少々向いておりません。(まったく使えないわけではないですが…)
2つ目の弱点としてはハイイールド債金利が暴騰から急落したら絶対株価が折り返すかというと、これもその限りではないということです。
事実、2008年の悪名高い「サブプライムショック」においては、やはりハイイールド債は金利が暴騰したのち一気に急落しました。ここで底と判断して買いに入った投資家は二番底により再度、暴落を食らうハメに遭いました。
チャート引用:FRED
上のチャートを見ると一度高騰した金利が急落した場面があることが分かりますね。(9/22)
ここで暴落終わりと判断して全資金を突っ込んだとしたら?その後さらに倍の下落を喰らったということになります。
つまり暴落に2番底が存在した場合はハイイールド債金利では読み切れません。
ですのでハイイールド債を見て「暴落終わったな」と思ったとしても、そこで資産を全力で突っ込んだりするのは絶対ダメだということも分かります。
如何に確信を持てたとしても何が起こるか分からないのが株式市場です。くれぐれも全力投資はしないよう注意しましょう。
まとめ
ハイイールド債についての記事をまとめます。
- ハイイールド債とは高配当・高リスク社債のこと。
- 市場が暴落するとハイイールド債金利は暴騰する。
- 暴落が終わるとハイイールド債金利は急落する。
- これを利用することで暴落の底打ち判断に利用できる。
- 暴落時は株価より大きく反応するため市況が分かりやすい。
- ただし株価に対する先行性はないのであくまで判断材料
- また2番底も読めないため過信しないこと
以上です。
もし、今後これは暴落かな?どのタイミングで買いに入ろうかな?などと迷ったときはRSIなどとハイイールド債金利を組み合わせて市場を睨むことで確実な購入タイミングを見定めることが可能となるかと思います。
是非、活用してみてください。
それでは、また次の記事で会いましょう。
ハイイールド債金利チャート:https://fred.stlouisfed.org/series/BAMLH0A0HYM2(外部リンク:FRED)