高卒です。
みなさまは最近流行りである「レバナス」なる投資法をご存知でしょうか?
本日の記事ではレバナスという投資法がどんなものなのかを解説したいと思います。
管理人はアンチレバナスであり、証券会社の広告のようにレバナスのデメリットに触れず、ただただ美辞麗句を述べる気は一切ありませんので、レバナスを保有し続ける勇気が欲しい人やレバナスを心から賞賛して欲しい方はここでブラウザバックすることをお勧めいたします。
本記事はレバナスに対し懐疑的、もしくは全く知らない方向けです。
目次
前提として「レバナス」は略称である
まず、このレバナスという呼称ですが、いわゆる略称です。
レバーとナスの炒め物ではありません。
正式には「レバレッジNASDAQ100」とういう金融商品のことを指します。
- レバ = レバレッジ
- ナス = ナスダック(NASDAQ100)
でレバナスです。
つまりレバナスは米国のNASDAQ100指数の値動きに連動する金融商品です。
ただし、ただNASDAQに連動するのではなく、そのNASDAQの値動きに小細工をしています。それがレバナスの「レバ」部分ことレバレッジです
さて、ここからは「レバ」と「ナス」を別々に説明いたします。
順序的には「レバ」から説明したいところですが、ややこしくなるので「ナス」から説明します。
レバナスの「ナス」とは?
先にも説明した通り「レバナス」の「ナス」はNASDAQ100指数のことを指します。
NASDAQ100とは以下のような物です。
米国NASDAQ(ナスダック)市場の代表的な企業の株式で構成される株価指数です。
人々の生活に浸透した製品・サービスを提供する企業から、ITやバイオテクノロジーなどの最先端技術を有する企業まで、多種多様な企業で構成されています。
引用:大和アセットマネジメント
主に現在の投資界隈において筆頭の成長産業である
- ハイテク
- バイオテクノロジー
- サービス
などの業種で構成されており、いわゆる大人気グロース(成長)株の寄せ集め的な商品となっております。
ちなみにNASDAQ指数はそのとてつもない成長ぶりから投資家から大人気であり、そのバリュエーションの高さは圧倒的です。
NASDAQは超絶割高バブル指数だと思っていただいても結構です。
つまりボラティリティ(値動き)が大きい指数です。とはいえ現在はその凄まじい人気ぶりから10年間ほどは、ほぼ上方向にしか動いていません。
そのため「レバナス」に全財産投資すれば絶対一生安泰などと言われております。
管理人は投資において絶対なんて言葉、絶対に信じませんが、一応そんな風に言われているそうです。
レバナスの「レバ」とは?
お次は「レバ」部分です。
先の説明の通りレバはレバレッジの略称です。
それではレバレッジとは何か?以下に引用します。
レバレッジ(Leverage)とは「てこの原理」という意味ですが、金融業界でレバレッジといった場合には、借り入れを利用することで、自己資金のリターン(収益)を高める効果が期待できることを指します。例えば、委託保証金率30%の信用取引では、売買代金の30%の委託保証金を差し入れることで取引が可能となります。つまり、その場合では、最大で約3.3倍のレバレッジを効かせることができるわけです。レバレッジを効かせるということは、大きなリターンが狙える半面、リスクも大きくなりますので、十分な資産管理が求められます。
長い、大事なのは以下の部分。
最大で約3.3倍のレバレッジを効かせることができるわけです。レバレッジを効かせるということは、大きなリターンが狙える半面、リスクも大きくなりますので、十分な資産管理が求められます。
こういうことですね。特に赤字部分が大事です。
ちなみにレバナスの場合は値動きの2倍程度を狙うものが主流だそうです。
いわく2倍ならリスクが低いからとか(笑)
レバナスに10年投資したら15倍になった!?
過去の値動きからしたらNASDAQ自体は10年で7倍となっております。
そのNASDAQに2倍レバレッジをかけていたら15倍となった計算です。
この結果を受けて若者?の間ではNISA枠の120万を全額レバナスに入れて10年寝かせれば良い、との考えが流行しているようです。
なにせ過去と同じ値動きをしたならあっという間に100万が1500万になるんですからね。やりたくなる気持ちも分かります。
それは事実なんですが、それでも管理人はレバナスに長期投資することには賛同できません。
理由は以下です。
- 高手数料であり暴落を加味するとレバナスを長期保有する旨味がない
- 株価停滞期では「減価」により、むしろ値下がっていく
これらの要素をレバナスは持っているからです。
手数料が高い
レバナス系統の投信は所謂、アクティブファンドであり手数料が高めの設定になっております。
iFreeレバレッジNASDAQ100の場合
- 購入時手数料が2.2%です。(インデックスファンドなら無料が基本)
- 信託報酬料が0.99%です。(インデックスファンドなら0.5以下が多い)
手数料というのは投資期間が長期になるほど効いてくるため、あまり高いものは有用ではないとされます。
とはいえ手数料が高かろうが莫大な利益が得られるなら問題ないと考える方もおられると思います。
ですが、そう甘くありありません。
その理由は、あくまで長期投資を前提とするのであれば暴落が避けられないことにあります。
レバナスは本格的な暴落が来ると、そこまでの利益の大半を掃き出し、NASDAQをレバレッジせずに買った場合と同じ運用結果まで落ちてきてしまう可能性もあります。
運用成績がNASDAQと同じとなってしまえば、そこまで払ってきたレバレッジの高額手数料は全て無駄だったという結果になってしまいます。
暴落したらパー
上記で触れた暴落したらNASDAQと同じ運用結果になってしまう件について説明します。
というわけで、ここで一度実際に暴落でありそうな流れを再現してみます。
条件は以下です。
- 10年前にナスダックとレバナスに100万円を投資したとする
- 通常のNASDAQなら7倍の700万になっている
- レバナスなら15倍の1500万になっている
- そこからリーマンショック並の暴落が発生したと仮定
その場合は以下のような値動きをするでしょう。
基準日 | 10年積立 | 初期暴落 | 暴落 | 反発 | 反落 | 二番底 | |
騰落率 | – | 700% | -15% | -25% | 3% | -5% | -20% |
NASDAQ | 100 | 700 | 595 | 446 | 460 | 437 | 349 |
レバナス | 100 | 1500 | 1050 | 525 | 557 | 501 | 301 |
初期暴落段階の-15%でも10年かけて作り上げた資産が30%失われます。
しかしレバナスは投信のためすぐさま損切できません、レバナス派はしかたなく反発待ちでホールドすることとします。
そうこうしている内に本番の暴落がきて、さらに-25%暴落します。
この時点でレバナスは1/3になっていまいました。数字上は40%下落ですがレバナスには70%の下落です。
さらに大底での反発、反落等のもみ合いを経て、二番底が来ます。
この時点でレバナスはNASDAQ以下(または付近)の資産額まで落ちる可能性があると想定されます。
結局、最終的にNASDAQの最大下落率が50%だったのに対しレバナスは80%を記録しました。
このようにどれだけ利益を上げようが暴落が強烈であればあるほどレバナスは最終的にNASDAQの運用結果を下回りかねません。
ちなみにこの検証は無理やりレバナスを下回らせたように見えるかもしれません、というか実際そのように多少盛ってます。
とはいえ最終的な下落率は実際のリーマンショックの数値と大差ない設定となっております。
また、NASDAQが高値過ぎることを想定すると下落幅をリーマンショック以下で考えるのは釣り合わないとも思います。そもそもレバナスで1500万作れているという想定自体が大甘です。
そもそもNASDAQ自体が本来、超絶に割高です。
そのため暴落が来た時の値動きは凄まじいと思われます。
平気で40~60%は暴落してもおかしくありません。
それを値動き2倍にして長期で持つという意味を少しは考えたほうが良いと思います。
というわけで管理人は長期で持つならレバナスじゃなくてNASDAQでも同じだと考えております。
むしろレバナスはリスク、手数料が上乗せされている分、長期投資するなら素直にNASDAQで良いという結論です。
レバナスはヨコヨコ期間で減価する
みなさんは「減価」という言葉をご存知でしょうか?
例えばNASDAQ指数が最近のように先行き不安から上下を繰り返したとします。
+5% ⇒ -5% ⇒ +5% ⇒ -5%
のような感じで。
単純に考えるとプラマイゼロです(実際は違いますが)
その場合、感覚的にはあまり株価は変化していない感じがしますよね?
投資先がレバナスではなく通常のNASDAQならその通りです。あまり変化はしません(正確にはマイナスになる)
でもレバナスの場合、このヨコヨコ期間はしっかりマイナスになっていきます。
基準日 | 1 | 2 | 3 | 4 | |
騰落率 | – | -5% | 5% | -5% | 5% |
レバ無し | 100 | 95 | 99.8 | 94.8 | 99.5 |
レバナス | 100 | 90 | 99 | 89.1 | 98 |
上の表はNASDAQ指数が4日間連続で±5%の上下動を繰り返した場合です。
その場合、
- 通常のNASDAQであれば-0.5%です。
- レバナスは-2%です。
これは長期間になるほど、よりレバレッジ側が不利になっていきます。これを減価と呼びます。
これもレバレッジが長期投資に向いていないとされる理由です。
もし今後、米国株式が停滞してNASDAQが長期間成長しない場面があったとします。
通常のNASDAQであれば最悪ホールドで我慢可能です。昔からNASDAQに投資していた人なら多大な利益が出ているので痛くもかゆくもないでしょう。
しかしナスレバはその期間も延々と減価を続けるため、とてもではありませんが握力が持ちません。高手数料も手伝い、絶対に売ることになるでしょう。
ちなみにここまでレバナスについて
- 高手数料の罠
- 連続下落で利益が飛んでしまうこと
- 減価のリスク
について解説しましたが、これらの説明はレバナスの目論見書においても全て説明されております。
是非一度、真面目に目論見書をご通読されることをお勧めいたします。
おまけ:NASDAQの停滞リスクは既に顕在化
おまけに一言ですが、先ほどナスレバはNASDAQ指数の停滞でも無限に「減価」することについて触れました。
そのNASDAQですが今は停滞しています。
上下動を繰り返し直近の高値を超えられません。
つまりレバナスは現在「減価」しています。
停滞理由は過去記事でも何度か解説しましたが、米国において利上げの可能性が高まっているためです。
詳しい話は過去記事を読んで下さい。
とはいえ、今後NASDAQが下落停滞するとは限りません、実際の利上げに対し市場は思ったより反応しない可能性も十分にありえます。
今の下がったNASDAQが押し目買いのチャンスにしか見えない!って人は是非レバナスなんて胡散臭い商品でなくNASDAQに連動するETFでも買ってみたらよいのではないでしょうか?
ちなみに管理人は今のNASDAQのチャートはすごく嫌な形をしていて全く手を出したくないと感じております。
とはいえ今後、市場が利上げ警戒に飽きてチャートが良い形になってきたら管理人もNASDAQに参戦するかもしれません。
レバナスには参戦しませんが(笑)
以上です。以下、定型文。
当ブログの記事は様々な書籍や企業公式ブログなどから集めた情報を自分なりに考えて発表しているだけの妄想ブログであり、特定の投資方法を勧めるものや特定の投資方法を否定する意図はございません。
あくまで高卒管理人のお馬鹿妄想をツラツラと述べているだけです。
投資は自己判断、自己責任でお願いいたします。
それでは本日の記事はこんなところです。
また次の記事でお会いしましょう。