どうも、高卒です。
管理人は今、ちょっと怒ってます。
今回は管理人が怒る原因となっている、いわゆる靴磨きの少年的な話をリアルで体験したのでお話したいです。
本筋に入る前に靴磨きの少年とは何かを確認しましょう。
1929年の夏、ケネディが靴磨きの少年に靴を磨いてもらおうとしたときのこと。少年は米紙ウィール・ストリート・ジャーナルを読んでいて、株取引に夢中でした。ケネディに対して自慢げに、推奨銘柄を教えたりなどします。この少年との出会いで、ケネディは相場撤退を決意したと伝えられています。
株や資産運用に関係ないし全く興味も無かった素人が株を語り始めたら市場がピークである、という寓話です。(事実ではなく、ただの例えとも言われていますね)
ここからが本題で管理人は最近、昔からいきつけの美容院に行ったのですが、そこで若い女性従業員から恐るべき話を振られました。
以下再現。
女性店員「高卒さんて株とか詳しいですよねー?」
管理人「プロではないんで全然詳しくないですよ。」
女性店員「株って簡単に儲かるんですよね?やってないと損ってマジですか?」
管理人「(簡単に儲かる…?)人によるとしか言いようがないので、お勧めはしませんよ。」
女性店員「なんか最近ー?他のお客さんからNISA?で米ハイテク企業?にレバレッジ?をかけてぶち込めば将来働かずに済むくらい儲かるって教えて貰ったんですけど、高卒さんはどう思いますー?」(訳:レバレッジNasdaq100ETFにNISA枠120万を全額ぶち込めば晴れてFIRE)
ここで管理人リアルにコーヒーを吹き出しそうになる。
管理人「それ言ってたのどんな人です…?」
女性店員「若い男性の方ですー。ツイッターで投資勉強しててー?投資先がアメリカのTOP企業なら絶対儲かるし損しないからレバレッジ?をかけて全財産突っ込めばいいって教えてくれてー、頭良いですよねー、すごい説得力あってー、私も投資しなきゃって。」
管理人「うーん、その投資法は止めておいたほうが無難ですよ。」
女性店員「え?なんで?」
管理人「リスク高すぎて投資額ほぼ吹き飛ぶ可能性もあります。」
女性店員「…」
以上、茶番終わり。
遂にリアルに顕現したテンプレツイッター投資家
夢を抱いた女性店員には悪いことを言った気がします。
少し言い方もキツかったです。
フォローとして今はタイミング的にお勧めではないけど、やるならつみたてNISAの全世界株式インデックスくらいにしておくといいよ、くらいのアドバイスはしておきました。
しかし、このクソ株高かつ地合いも悪い中、ズブの素人にレバナス投資をお勧めしたというクソ小僧のテンプレっぷりが中々に笑えます。
何がテンプレなのかは以下です。
管理人はこれらの発言する人をテンプレツイッター投資家と勝手に呼んでいます。
- 投資の勉強手段はYOUTUBEとツイッター(またはインスタ)
- アメリカトップ企業なら絶対儲かる、大丈夫という謎コピペ
- 投資先はレバナスが中心
- 最終目標は、FIRE
まあまあ、よくもここまでネットテンプレで固められたもんだと褒めてあげたいです。それも現実世界に出てきても同じこと言ってるのも個人的には笑うところ。
ツイッター投資家の流行りそのもの。
まさにツイッターの権化が顕現されたって感じです。
危険思想を振りまくのはツイッターやインスタだけにしてリアルに出てこないでください。出てきたとしてもズブの素人に対して賢明なフリして他人が考えただけの投機法とその理屈を説法するのは危険だし、少しでも投資かじってる人に聞かれたら超ダサくて恥ずかしいんでクソ素人はクソ素人らしく隅っこの方にすっこんで口だけ開けて雨と埃でも食ってください。
レバナスは投機であり、初心者がやることではない
管理人は別にレバナスという選択を否定している訳ではありません。少なくとも今までは大きく勝っていることは事実で間違いありませんから。
個人の自由だし、きっちりリスク管理ができるなら、むしろ優秀な投機法だとも思います。(仮想通貨しかり、ボラティリティを管理できる人になら良い物である)
でも、そういう投機法ってズブの初心者がやるものではないと思います。
理由は、まかり間違って逆行した時、手に負えないからです。損切もせずに指を咥えて泣きながら眺めることしかできないでしょう。
そんなことになって無責任に知人にレバナスを勧めた人は責任取れるんですか?ツイッターならともかくリアルでそれやると刃傷沙汰になっても文句言えないですよ?
まさか無責任に「レバナスに限ってそんなことにはならない」なんて言わないですよね?
事実、レバナスのリスク値は逆行時の絶望感も十分に示していますよ?まさかリスク値の見方を知らずに投資しているとか言わないですよね?
そりゃ、たまたま危険な投機法に乗っかって上手くいく素人だっているでしょうが、それは結果論に過ぎませんし、当然逆もあるわけです。
ちなみに、さっきから管理人がレバナスのことを意図して「投機法」と連呼しているのはお気づきでしょうか?
投機の定義は以下。
広義では相場の変動を利用して、その値ざやが生み出す利益を得ることを主たる目的として行なわれる売買取引のこと。 一般的に、投機は短期間の売買、投資は長期保有の意図で行なわれるというが、明確な区分けはない。
引用:投機(とうき)|証券用語集|東海東京証券株式会社
- 相場変動の値ざやから利益を得ること
- 長期、短期での区分けはない
レバナス投機法というのは要するにレバレッジで値ざやの倍増を狙いながら長期で積立てるという物なので上記の定義から見ても投機以外の何物でもありません。
さらに言うと長期であれば投機扱いを免れるわけではありません。
レバレッジで予算以上のお金をかけて超高リスクプレミアムを得ようとしている時点で投機以外の何物でもありません。(S&P500より儲けようという下心=リスクプレミアム)
それに関し、一部にはレバナスは投機でないとのツイートやブログ等で反論をしている方々もおられるようですが、この人達の主張に管理人は興味もなくアクセス稼ぎにも加担したくないので見ておらず知りません。
大方、長期で上がり続けたものを積み立てるだけだから~、最悪でもマイナスにならないから~、とでも言ってるんでしょうかね。
何を言おうとレバナスでやってることは欲を優先してリスクを取って自分の投資余力以上にテコを入れて無理やり買い向かっているだけであり、何をどう反論しようが投機です。
ちなみに繰り返しになりますが管理人は別にレバナスやその他投機を否定はしませんし、なんなら地合い次第では全然肯定しますし自分でもやる可能性だってあります。
ただ、地合いも読めない、損切もできないようなズブの素人にレバナスのような危険投機法をいきなり勧めるようなことだけは絶対にするな、と言いたいだけです。
おまけ:世界の情勢は限りなくグレー
最後に「今」素人にレバナスを勧めてはいけない理由として
「世界の情勢が限りなくグレーである」
ということにも触れておきます。
例えば中国では不動産大手の連鎖的債務不履行が起こっています。
中国は管制の元、不動産バブル崩壊を抑え込もうとしていますが失敗した場合はどうなるでしょうか…?
S&P、中国恒大をデフォルト判定 ドル建て債の利払い不履行(外部リンク)
FRBはインフレ抑制のための利上げを数回に渡って断行する構えです。ハイテクやナスダックにとって利上げは天敵とされますが、そんなことくらいわかったうえでヘッジには目もくれずナスレバに投機しているんですよね?
そういえば、ここ最近利上げが囁かれるようになってからのナスダック指数はどうも天井超えられなくなってきてますね。下落やヨコヨコが続くとレバレッジは余計旨くないですよ?
ちなみにアメリカは2018年後半に利上げを断行していますが、その頃のナスダックチャートを一度見ておくと興味深いかもしれないですよ。
米22年に3回利上げへ FRB、緩和縮小終了の前倒し決定(外部リンク)
さらに世界はコロナが完全に収まらないどころかオミクロン株が流行を始めたにも関わらず、激しい物価上昇を始めています。これはスタグフレーションとなる可能性を含みます。
事実、原油や電機等のエネルギー価格や素材の価格高騰が止まらず景気を圧迫しています。
スタグフレーションとは、景気が後退していく中でインフレーション(インフレ、物価上昇)が同時進行する現象のことをいいます。 この名称は、景気停滞を意味する「スタグネーション(Stagnation)」と「インフレーション(Iinflation)」を組み合わせた合成語です。
スタグフレーションとなれば一旦、株の時代は終焉を迎えます。
つまり景気後退期の襲来です。
レバナスは瞬発的な下落(コロナショック)には耐えられましたが長期的な景気後退ではレバレッジの特性上、恐ろしいまでの弱さを発揮するでしょう。
上がり続けた場合はより大きく、下がり続けた場合はより小さく、それがレバレッジです。
ナスダックなら下がっても大丈夫って言っている人の根拠はなんなんでしょうか?
本当に下がり続けても大丈夫でしょうかね?
まあ、管理人はレバナス買ってないんでどうでもいいんですけど。
以前から言っている通り管理人は現状の株式市場を一旦のピークと見込んでおり、2021年は殆ど金現物と債券しか買わず、現金比率も増加しています。
そんな状況で玄人様がレバナスにバックテストから何かの確信を抱き、買い向かうのは勝手ですが、頼むからズブの素人に膨張した爆弾をトスするのは勘弁してあげてください。
初心者に高リスク背負わせて、もし爆発したら責任取れんの?
そんな感じです。
それでは、また次の記事で会いましょう。