どうも、意識低い系会社員のぽんたです。
前回の記事では、つみたてNISAの商品の決め方についてご説明させていただきました。
私自身はつみたてNISAは断然株式100%ですが、リスクを下げたい気持ちも分かります。
というわけで、今回はつみたてNISAのリスクを減らす手段について考えていきます。
本来つみたてNISAでは株式を運用することを目的としており、債券や金のみに投資するファンドは買えません(ラインナップされません)。
そのため、リスクを下げたい場合は以下のような手段を取る必要があります。
- 投資国を分散する
- バランスファンドを買う(※いくつか難点あり)
- そもそも投資額を抑える
あたりが、つみたてNISAでのリスクヘッジの選択肢になると考えます。
順に解説します。
目次
投資国を分散する
一般に株式は銘柄数が多いほど、投資地域が広いほどリスクが減ると言われております。
具体例ですが、200年間ずっと右肩上がりで、今も圧倒的に強い米国株も2000年~2010年の10年間を見ると横ばいでした。
そしてその間に新興国の株価は成長し、圧倒的なパフォーマンスを見せて、リーマンショックのダメージからも米国より素早く立ち直りました。
この期間は米国のみに投資した人は長期に渡り損をして、伸びる新興国を指を咥えて眺めることになりました。
この話からも分かる通り、もし、つみたてNISAの投資期間中に最有力の投資先と信じた国が長期に渡り低迷したら耐えられるでしょうか?
リスクを低く投資したいと考えている人は、まず間違いなく途中で投資をやめると思います。
と、考えるとリスクを下げたい人は始めから投資国を分散しておくのが良いのでは?と思います。
バランスファンドを買う(※いくつか難点あり)
バランスファンドとは株式、債券、REITなどの複数の資産を組み合わせたファンドのことです。
値動きの異なる資産を組み合わせることで値動きをマイルドにする狙いがあります。
…が、そこそこの数のデメリットが潜んでおり、かなり選考が悩ましいのが難点です。
以下にバランスファンドによくある難点を羅列します。
- 非課税の恩恵が少なくなる
- 国内債券の比率が高い商品が多い
- 国内株式の比率が高い商品が多い
- 為替ヘッジが入っている商品がある
けっこうありますね、これらを気にして探すと、好条件なファンドが案外少ないことに頭を抱えます。
解説します。
難点①:非課税の恩恵が少なくなる
つみたてNISAの最大の売りは非課税です。
当然、非課税はリターンが高いほど恩恵が大きくなります。
安全資産の比率が多すぎる商品(例えば国内債券70%など)はほとんど非課税の恩恵は無いと考えたほうがいいでしょう。
せっかく将来の資産形成を狙って始めたつみたてNISAが、非課税の恩恵をほとんど受けられなかったら、それは貯金と大して変わらず、ある意味リスクですらあると思います。
難点②:国内債券の比率が高い商品が多い
日本国債には暴落に対する高いリスクヘッジ効果があります。
リーマンショックでは、日本国債はほぼマイナスにならなかった数少ない資産です。
一見、この日本国債をある程度多く含んだファンドを買えば安全、と考えがちですし、事実そんなに間違っていないと思います。
が、この考えは悪手となる可能性もあります。
誰もが知る通り、日本の金利は超超低金利です。
そして債券は金利が低いほど価格が高くなります。
つまり、今の日本国債は最高値圏である可能性が高いです。
例え、暴落のダメージを減らすことができても、長期では金利が上昇していき、日本国債は値下がりして、安全のために買った日本国債で損をしかねません。
このことから日本国債の配分の多いファンドは非課税面でも、今後の値動きの面でも不利となる可能性があります。
難点③:国内株式の比率が高い商品が多い
バランスファンドのラインナップを見てみると為替リスクを嫌って国内株式の比率が高い商品が多いですが、これは大したリスクヘッジになりません。
むしろ日本株式は外国株式と同程度のリスクを負いながら、外国株式よりも低いリターンとなっています。
以上のことから、国内株式の比率が無駄に高いバランスファンドも考えモノと言えます。
とはいえ、暴落局面では値下がりに加えて為替差損も受けるため、分散の意味も含め、ある程度(20~30%)の国内株式は入っていてもいいと思います。
難点④:為替ヘッジが入っている商品がある
為替ヘッジとは、為替変動による円資産の価値の変動を回避する仕組みです。
外貨建て資産は購入時よりも円が高くなった場合、資産評価額は目減りします。(円安になれば増えます。)
例えば、1ドル=110円で1,000ドルの外貨建て資産を買った後に、1ドル=90円の円高になった場合、日本円で11,000円の資産が90,000円まで値下がりし20,000円損します。
為替ヘッジのついた商品はこの価格変動を防いでくれます。
が、こんな万能のような効果が当然無料な訳はなく、ヘッジコストという手数料が発生します。
このコストは投資信託の信託財産から差し引かれ、基準価額を下げます。
このコストを払い続けているファンドは、為替ヘッジしなかったファンドよりリターンが下がることになります。
ただし、資産の一部を部分的に為替ヘッジする程度なら、ほどほどに値動きを和らげる効果にもなり、使いようなのかしれません。
とはいえ、過剰に為替ヘッジしているファンドは選考から外したほうが無難です。
そもそも投資額を抑える
時には小さくいくことも大事
いやいや、正直これが一番安全だと思いますよ。
満額のつみたてNISAの負担が重すぎて貯金もできない生活を続けていたら、ある日突然病気やケガに見舞われて、当面の入院費や生活費を賄うお金が無い!なんて目も当てられません。
挙句、そのタイミングで株価が大暴落して、つみたてNISAを取り崩すこともままならない、なんてこともあるかもしれません。
本当は非課税を最大限活かすためには、満額積立てたいところですが、半年程度の生活費も賄えない貯金で投資を続けるのは無謀なので、毎月の投資額設定を下げたほうが無難です。
ちなみにインデックス投資家の中では、正確に自分のリスク許容度を考え、最悪何年暮らせるか正確に計算した上で現金保有額を決めることが推奨されているそうです。
これにより、安全を取りながら、かつ現金を遊ばせすぎないスマートな投資が可能になるということだそうです。
私はこの考え方に賛成ですが、手法自体を解説することはできません。
手元にあれば安心できる現金なんて人それぞれですし、半年か数年か?、なんて冷静な時に考えた理想の値は実際に追い詰められた精神状態では役に立たないと思っているから、計算したことがないです。(けっして面倒だからじゃないですよ?)
ただ、間違いなく自分が安心できる多めの現金を残しています。
ちょっと話がそれましたが、投資額を抑えて個人に合った余裕資金を残すのが一番のリスクヘッジなのでは?ということが言いたかったのです。
まとめ
以上が私が考える、つみたてNISAのリスクを減らす方法でした。
要点をまとめます。
- 投資先(国)は分散する(全世界株式ファンドなどを選考する)
- バランスファンドを買う場合、国内株式、債券の比率の高くない物を選考する
- 為替ヘッジ=安全ではない、為替ヘッジ100%のファンドは選考から外す
- 自分が確実に安心できる手元資金を残しておく(額は人によります)
最後に、今回の記事ですが、かなり私個人の考え方に偏っております。
考えの根幹には
- 目先のリスク下げ過ぎて、長期リターンを大幅に下げるのは意味がない
という考え方があり、リスクヘッジというには少し責めた内容になっているため、あくまでも参考程度にするのが無難と思います。
ちなみに私自身は全世界株式を買って、現金を厚めに持つ、程度に留めています。
リスクに対する許容度は人それぞれです、自分にあったスタイルを見極めましょう。
以上、お読み頂いてありがとうございました。
それでは良い投資ライフを!